小林秀雄と中原中也

タイトルが固いなぁ(^^;

いや、私もDreamさんがコメントしてくださったのと同じように思ってたんですよ、小林秀雄。

中也の彼女は横取りするわ、さんざん批評するわ。

何より、私の世代で「小林秀雄」といえば、評論文の大御所。絶対小林秀雄読んでおかないと受験に差し支える、みたいな。「考えるヒント」とか読みましたよ。でも読みにくいの、小林秀雄。

文章が難解で、ほんっっっとに嫌いだった。

で、まあ今回の(短歌の全国大会主催という)ご縁で、中也記念館にも何度か行って、たまたま企画展やってたのが「小林秀雄と中原中也」というテーマ。

とにかく「小林」と聞いただけで、うんざりするぐらい嫌いだったから、見たくもなかったんだけど、せっかくだからと思って見てきたわけです。


あら?


思い違いをしてた部分がいっぱい。

まずイケメン(そこかいっ!(笑))

e0099547_23503726.gif


これは少し歳をとってからだけど、ちょうど中也の恋人だった長谷川泰子が乗り換えた頃の(大学生ごろの)小林はもっともっと美形でした。「あ、こりゃ中也捨てるわ」って思うぐらい。細面のインテリ顔で、しかもやさしそうで、しかも東大生で(私は京大の方が好きだけど(笑))。

中也ってオトコは、まあ語り始めれば深い人なんだけど、とりあえず生活能力も協調性もない人だったようで(そのへん、石川啄木も似たような感じ)、長谷川泰子が恋人だったというのも、泰子に言わせれば「ムリヤリ」だったみたいで、泰子の家に転がり込んで恋人づらしてただけっぽい。だって歳もずいぶん離れてるしねぇ。

泰子の回顧録にあるのは、ある雨の日、「おくさん、雑巾でも何でもいいから貸して下さい!」ってずぶ濡れで飛び込んできた中也の友人小林。その姿を一目見て、「やさしそうな」と感じた、と。だから泰子の一目惚れみたいな?

いやぁ、その企画展に出されてた大学生の小林秀雄が、ずぶ濡れで飛び込んできたら惚れるだろうなあ、と思いましたよ(笑)

で、まあ泰子は小林の許に出奔するわけだけど、小林も困ってたみたい。なんせ泰子の押しが強くて。中也も困ってたみたい。泰子が小林の許へ行く、引っ越しの手伝いまでさせられたらしいから(^^;ないわぁ。

その後、泰子は小林の許も去って、結局別な男と所帯を持つことになるんだけど。

で、中也ってのは「詩人になりたい!」「自分には才能がある!」という強い自負を持ってたけど、文壇とのつながりがなかったのね。田舎出身だし、大学は受験日に遅刻して受験できなかったし。それを「批評」という形で文壇に何度も何度も引っぱり出したのが小林秀雄だったらしい。

だから、小林の活躍なくしては、中也は世に出てなかったかもしれない、っていうのをその時初めて知ったのでした。イイヤツやん、小林。イケメンやし(まだ言うか(笑))

小林秀雄と中原中也がそれぞれ同じランボーの詩を翻訳したものが比較できるように展示されてたんだけど、それ読むと、中也が文学的にいかに優れてたかはよくわかった。だからこそ、小林は中也のプロデュースをしようと思ったんだろうなとも思った。

小林秀雄は長生きしたから、ずっと泰子のことで世間に誤解されっぱなしだったのに、それについてはほとんど語ってないみたいで、何だか気の毒な気もする。

で、小林の文章が難解だと高校の頃思ったのは、小林の文章も実に抒情的だからかな、と。かなり中也に影響されてると思った。

普通の評論家は、理路整然と文章を書くんだけど、小林の文章は理路じゃなくて、かなり深く情の部分に踏み込んで書かれてるのね。だから難解だと感じたんだろうな、と。

…でも結局、だからといって小林秀雄の評論をもう一度読んでみようという元気は出ないんだけどね(苦笑)


わはは、今日のブログは、まるで国文学部を出た文学オタが書いたみたいになっちゃったよ(笑)
[PR]
by sei_97 | 2008-06-03 00:07 | ことば・本
<< 北海道に行きました 篤姫 >>