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作った…つか出来た

プラス9首っていうのは、全部で16首で見開き1ページになるんですわ。
ってことで、編集の都合で見開き1ページをもらったという。

連作ってのは面白いもので、別々の場面で詠んだ別々の歌を、並べ替えて一つの作品にするという、さらにパズルのようなことをします。

みゆきさんをお好きな方ならよくわかると思うんですが、彼女のアルバムは1つ1つがテーマを持ってます。だけど曲はおそらくそのテーマに沿って作ったわけではないだろうものなのです。例えば「一期一会」なんかは「ウルルン」の主題歌として、番組のコンセプトに沿うように依頼されたのだろうし。だけど、あのアルバムのあの位置に入ると、違和感がないですよね。

彼女はおそらく、それぞれのアルバムのテーマに沿って楽曲を並べ替えて収録してると思うんです。一番メッセージ性の強い、聴かせたい楽曲はラストだし。最初はインパクトの強い曲だし。ライブも同じ構成だなと感じます。

そんな感じで、私たちが連作をつくるというのも並べ替えがかなりの重要な意味を持ってきます。


さぁて、長い前置きでしたが、何とかかんとかひねり出しました、9首。
そして前回の7首と合わせて16首。並べ替えもしました。

前回の7首のタイトルは「野分」でしたが、今回9首加わって、全体の色が少し変わったように思えます。タイトルは「ひかり」にしました。
 
  「ひかり」

★北端を茜いろに染め台風ははるか南を過ぎゆくといふ

★十六夜の月やはらかにはるかよりふたとせぶりのたよりの届く

★クレヨンを束にして塗るポスターの虹色ちひさく歌ふ鼻歌

★空ひくく垂れたる雲の切れ間より絹雲夕焼け青空の見ゆ

★老ふるまで子どものうたを歌ひつつ生きたしといふ若者にあふ

★全身で遊ぶ小さきけものらよその燃えさかるいのちのひかり

★そこここに朝露宿し輝ける蜘蛛の巣ありてわが町は秋

★かの鹿のたづぬる先はいづくにや真夜中の闇を駆け抜けゆけり

★さば鰯ウロコと一面秋空はさかなの名をもつ雲に覆はる

★テーブルに柿の実三つ置かれゐて最低気温十度のあした

★にんげんに疲れし夜は音声を消したるテレビに無言で見入る

★全身で遊ぶ子どもを全身で受け止めるにはおもたきからだ

★おさなとはかくもやはらかきものなるか腕にすべてを委ね眠れり

★壁に貼る日本全図をながめてはまだ見ぬ土地を数ふる夜更け

★ステージを袖より照らす照明にてらされるごと横ざまの夕日

★肌寒き夜更け悪夢を噛み砕き悪夢の続きにたちむかはむとす
by sei_97 | 2008-09-27 23:50 | 短歌
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