カテゴリ:短歌( 45 )

結社誌2月分

「悼・笹井宏之氏」

★着信二件メール三件あまりにも突然すぎるひとの死を告ぐ

★語りたきことあるやうでなきやうでただゆふぐれの繊月をみる

★そらに浮かぶ笹の葉ひとつ 繊月よさやさや笹の音を聞かせよ

★異世界のことばを拾ひにいくのですきつとあなたはさふ笑ひます

★ひらかなのおほきうたよむひとなりき 日ごと寒さの厳しくなりぬ

★手をあはすこともせぬまま初七日をむかへたる夜 星空をみる

★かなしみといふ語の意味が唐突に降りくる冬の夜のしづけさ
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by sei_97 | 2009-02-05 23:35 | 短歌

結社グループ誌投稿歌

mixiに書いたけど、分類保存のためにこちらにも。

  「夜明け」

牙抜かれ爪剥がれたるけだものの呻きばかりの聞こゆる真昼

少しだけトーンを上げて語りつつこれも演技のひとつと思ふ

カラオケのマイクを握り闘へるひとの歌のみ歌ひ続くる

耐ふることもまた闘ひと呼びうるか夕日を浴びつつ帰途につきをり

不器用に生くることなど許されぬ世の中にゐてほとけ慕はし

世の中のうつろひおもひオリオンの見ゆる零下の庭に佇む

もがき来し四半世紀を箱に詰め復活の儀式として厳封す

雪ふかき国より熱きことのはの送られ来たるそのあたたかさ

あはれなる我が身よと甘く嘆きたる部屋をこじあけ雪をんな立つ

こだわりを捨ててしまへば世の中はやさしきひかりにみちみちてゐる

もの言はれやすき人よとひとの言ふ さらば覚悟を決めて生きなむ

モニターの向かふにたしかにたくさんのひと在りそこにわたくしもゐる

波おほき海を越えつつ悩みなどなしと笑へるをんなのつよさ

ゆるくぬるく生きぬいてゆけ風のいろの見えるか否かためされてゐる

山茶花の葉群に雪の積もりたりその下に花は守られて咲く

新しき頁を開く ひな鳥が卵の殻を内より剥くごと
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by sei_97 | 2009-01-22 17:45 | 短歌

結社1月号詠草

  リセット

★あたらしき年の初めにリセットはできぬ昨日と向き合ひて立つ

★自覚なきままに本家となりぬれば盆正月の慣れぬ賑はひ

★正月の子どもらを迎ふる雪景色われにかはりて接待をなせ

★海底に息ひそめたる三年の過ぎて賀状の少なくなりぬ

★虚礼廃止とふ便利なる語のあれば今後も賀状は書かずにおかう

★子どもらは訪るるごとおとなびて一人前の口をききをり

★静寂のもどれる家に緊張のほぐれしインコの呼ぶ声たかし
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by sei_97 | 2009-01-04 23:49 | 短歌

チラ裏短歌

(注)「チラ裏」は「チラシの裏」つまり、本来人に見せるレベルのものじゃない殴り書き

★直球は投げないでくれ数倍に広げた張り子の私の破綻

★さびしいとつらいとメールの切れ切れの文字がガラスの欠片に変わる

★思うほど愚かではなく思うほどオトナではない私の限界

★何もしてあげられない夜捨てられた子犬の目から目を逸らせない

★真直ぐに私に両手を差し出して赤子は何を求めるのだろう

★求めても満足のいく答えなど返せはしないとチョコレートを噛む

★ごめんねと謝れば済むことでなくきみの求めに答えられない
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by sei_97 | 2008-12-23 23:10 | 短歌

結社投稿歌12月分

今日の夕方、何とか間に合わせで作りました(苦笑)

タイトルも「合否」(←そのまんま(爆))

★月と星がやさしき笑顔をつくる夜わたしはわたしと語らふばかり

★柳には雪折れなしと知りながらそらを切り裂く柿の枝をみる

★パソコンに向かふ深夜の書き込みに応へくれたるなかまのをりぬ

★合か否かインターネットで知るあしたマウスを握る指ふるへたり

★悪きことばかりを先に予定せり予定の分だけ期待してゐる

★緊張ののちの弛緩にたゆたへりぼんやりそれをあじわふゆうべ

★胸腹に溜まりたまりたるあれこれの発酵を経て美酒とならむか

はー、とりあえず欠詠にならなくてよかった(苦笑)
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by sei_97 | 2008-12-05 23:22 | 短歌

自分を客観視する

あちこちに「テンションあがらん」と言いまくっているわけですが(^_^;)

そういえば、先日の短歌の月例会で、客観視って話をしたんだった。

例えば、失恋して泣いてる自分を、もう一人他者の目で見て描写する。

ってことは、今のこのヘコんでる自分を他人事のように詠めばいいわけよね?

★パソコンに向かふ夜更けの冷えゆきて口内炎に顔を歪ます

★深刻な顔つきのまま縦じわの眉間にありとの言葉を思ふ

★メールひとつ返してくれぬことさへも自虐の種となしたる夜更け


これは客観視できてるんかなあ?(苦笑)
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by sei_97 | 2008-11-13 01:41 | 短歌

11月例会

疲れた…。

人数が少なかったのと、そのほとんどがおとなしい人だったから。

一生懸命自分のことは棚上げで偉そうなコトくっちゃべってきました。


エラそうなこと言ったら全部自分にはね返ってくるから、できるだけ黙ってやりすごしたいんだけど、誰も言わないからしょうがない。とりあえずA欄のつとめだと思ってがんばってきました。


師匠が体調ずっと思わしくないせいか、全国大会を終えたからか、極端に元気がなくなってて、何だか弱気な発言も多くて。それにみんな引っ張られてしまってるのか、歌歴の長いみなさんまでも元気なくて。


新人さんも入ってるし、まだまだ成長過程の人もいっぱいいるのに、こんなんじゃダメじゃん!って思ってしまうのよね。


でも疲れた。
わりとこういう役回りをよくやってる気がする。
今はお気楽に過ごしてるけど、職場なんかでもさ。

これで疲れないように何とか解消方法見つけることができたら、復帰してもラクにやっていけるんだろうな、きっと。

たぶん、こういう役回りからは逃れられないんだろうから(そういう性格だから仕方がないよね)。

あー、また愚痴ブログでした。ごめんなさい。
書くとすっきりするので、読み捨ててくださいね。
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by sei_97 | 2008-11-09 22:52 | 短歌

結社誌11月分

    「信」

★アメリカの若き指導者肌つやのかがやきをりぬ自信に満ちて

★顔も名も知らざるひとに会ひにゆく北の大地に初雪のふる

★北の地は初冬なりけりまつすぐな歩道に銀杏の黄を敷き詰めて

★見も知らぬ人が見知れるひととなる瞬間のもつ緊張の佳し

★まつすぐに続く高速道路よりかなたに雪をいだく山見ゆ

★塩刈の碑に初雪のうつすらと積もりきよらなり信ずるこころ

★身をすべて神に捧ぐと書きのこし犠牲となりし若者の碑よ
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by sei_97 | 2008-11-05 21:46 | 短歌

短歌「遺失物預り所」

みゆきさんの「遺失物預り所」を短歌にしてみました(^∇^;)

★長旅の途中でなくしたものがあるそれが何だか思い出せない

★物腰も言葉もやさしく遺失物係のおんなに責められている

★生を終えるそのときに思い出せるのかわたしがなくしてきたものすべて

★失ったことに気付くだけましだよと開き直ってまた歩き出す

★失ってきたものすべて預かっていると微笑む女は時の番人

★落ち着いてこころの底に潜りゆけそこに忘れてきたものが待つ
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by sei_97 | 2008-10-01 14:21 | 短歌

作った…つか出来た

プラス9首っていうのは、全部で16首で見開き1ページになるんですわ。
ってことで、編集の都合で見開き1ページをもらったという。

連作ってのは面白いもので、別々の場面で詠んだ別々の歌を、並べ替えて一つの作品にするという、さらにパズルのようなことをします。

みゆきさんをお好きな方ならよくわかると思うんですが、彼女のアルバムは1つ1つがテーマを持ってます。だけど曲はおそらくそのテーマに沿って作ったわけではないだろうものなのです。例えば「一期一会」なんかは「ウルルン」の主題歌として、番組のコンセプトに沿うように依頼されたのだろうし。だけど、あのアルバムのあの位置に入ると、違和感がないですよね。

彼女はおそらく、それぞれのアルバムのテーマに沿って楽曲を並べ替えて収録してると思うんです。一番メッセージ性の強い、聴かせたい楽曲はラストだし。最初はインパクトの強い曲だし。ライブも同じ構成だなと感じます。

そんな感じで、私たちが連作をつくるというのも並べ替えがかなりの重要な意味を持ってきます。


さぁて、長い前置きでしたが、何とかかんとかひねり出しました、9首。
そして前回の7首と合わせて16首。並べ替えもしました。

前回の7首のタイトルは「野分」でしたが、今回9首加わって、全体の色が少し変わったように思えます。タイトルは「ひかり」にしました。
 
  「ひかり」

★北端を茜いろに染め台風ははるか南を過ぎゆくといふ

★十六夜の月やはらかにはるかよりふたとせぶりのたよりの届く

★クレヨンを束にして塗るポスターの虹色ちひさく歌ふ鼻歌

★空ひくく垂れたる雲の切れ間より絹雲夕焼け青空の見ゆ

★老ふるまで子どものうたを歌ひつつ生きたしといふ若者にあふ

★全身で遊ぶ小さきけものらよその燃えさかるいのちのひかり

★そこここに朝露宿し輝ける蜘蛛の巣ありてわが町は秋

★かの鹿のたづぬる先はいづくにや真夜中の闇を駆け抜けゆけり

★さば鰯ウロコと一面秋空はさかなの名をもつ雲に覆はる

★テーブルに柿の実三つ置かれゐて最低気温十度のあした

★にんげんに疲れし夜は音声を消したるテレビに無言で見入る

★全身で遊ぶ子どもを全身で受け止めるにはおもたきからだ

★おさなとはかくもやはらかきものなるか腕にすべてを委ね眠れり

★壁に貼る日本全図をながめてはまだ見ぬ土地を数ふる夜更け

★ステージを袖より照らす照明にてらされるごと横ざまの夕日

★肌寒き夜更け悪夢を噛み砕き悪夢の続きにたちむかはむとす
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by sei_97 | 2008-09-27 23:50 | 短歌